Japan Cooked-rice Association
ごはんソムリエ講師 小田宗宏
2026/09/15
文献番号B-31
訳者よりひとこと
子供は野菜を好んで食べない。野菜は、重要な栄養素の1つとして様々な領域の研究分野で有効性が示されている。わが国では、日々350gを食べることが推奨されているが、実際にはそこまでの量は摂られていない。そこで、出生後、離乳食として野菜を取り入れるようにすることで、早い時期から野菜を口にするようになるのではと考えられ、介入試験が行われた。ここではその結果について紹介するが、海外の事例であること、また、それぞれ国により離乳文化が異なることなどを念頭において一読して頂きたい。
文献要旨(訳)
離乳期にいろいろな野菜を繰り返し食べさせると、乳児は野菜を食べるようになり、また、好むようにもなる。この効果は、新しい食べ物に対しても同様なことがいえる。今回の調査研究は、乳児に対する最初の食べ物としていろいろな野菜を1種類ごと(混合しないで)に与えるように親に対して助言することが、その後の乳児の新しい野菜への好みに影響するかどうかを調べることが目的になっている。
英国、ギリシャ、ポルトガルの4~6か月齢の乳児を育てる母親を無作為に2つのグループに分けた。最初の食べ物として1日1種類の野菜とし、5種類の野菜を5日間かけて食べさせ、15日間(5種類を3回繰り返す)続けるように助言した介入グループ(75名)と、それぞれの国での通常のやり方をする対照グループ(71名)との2つのグループである。乳児の野菜の好みについての判断については、介入を終了して1カ月後に、母親と研究者によってなされた。解析は、3か国の全乳児を対象とする場合と、国別に乳児を対象とする場合とに分けて行った。
解析結果であるが、3か国の全乳児を対象とした場合、野菜の摂取量には介入(助言)の効果は認められなかった。しかし、国別解析では、英国のみで認められたことであるが、対照グループより介入グループにおいて乳児はより多くの野菜を消費していたし、また、母親も研究者も乳児がより野菜好きであることを認めた(ギリシャ、ポルトガルでは介入効果は認められていない)。国による結果の違いは、各々の国での離乳文化の多様性が反映されていると思われる。しかし、乳児の食べ物として野菜が一般的でない英国では、いろいろな野菜を離乳の初期に与えるように助言することは、野菜好きにするためには有効であることを示している。
雑誌名 :Br J Nutr 2015; 114: 328–336(文(千)-87、千8-4/分類B-1)
タイトル :An exploratory trial of parental advice for increasing vegetable acceptance in infancy
訳/小田宗宏(炊飯HACCP審査委員)