Japan Cooked-rice Association
ごはんソムリエ講師 小田宗宏
2026/08/17
文献番号B-28
訳者よりひとこと
健康に過ごしている多くの方々は、様々な理由から、将来的には認知症にはなりたくないと考えている。認知症予防の研究が様々な分野でなされているが、日常生活の在り方を考えることも認知症予防にとって大切なポイントであることがわかっている。例えば、社会との接点を持つこと、運動に配慮すること、食事の在り方を考えることなどなど、様々な視点からの提言があげられている。ここでは食事の在り方、どのような食品を摂っているかなどの視点から、食事の在り方を考えてみたい。
文献要旨(訳)
アジア人を対象とした食事様式と認知症リスクの相関を解析した報告はない。そこで、一般的な日本人の食事様式とそれらの食事様式が潜在的に有する認知症発症リスクとの関連性について調査研究した。
認知症ではない60-79歳の地域居住者1,006名を対象者とし、平均15年間の追跡調査を行った。ここでは、特定の食事様式による認知症発症リスクを、統計学的手法を用いて推定した。
食事様式として7種類を定めた。この中の食事様式1では、大豆、大豆製品、野菜、海藻、牛乳、乳製品が多く摂取され、米の摂取量は少ない。追跡期間中、271名の対象者が認知症を発症した。このうち、144名はアルツハイマー症(AD)で、88名は血管性認知症(VaD)であった。統計学的に解析を行うと、認知症、AD、VaDに対する発症リスクは、同じ食事様式1であっても、その様式に従う(遵守する)程度によっても異なっている。遵守の程度の強さを4つのグループに分けて解析すると、遵守の程度が最も低いグループ(発症リスクを1.00とする)から最も高いグループの順に、発症リスクは、それぞれ0.66、0.65、0.45と低下し、遵守の程度が最も強いグループの発症リスクが最も小さかった。
このことから、大豆、大豆製品、野菜、海藻、牛乳、乳製品が多く、米を少なくするという特徴から成る食事様式を守るほど、日本人の認知症リスクは低下することが分かる。
雑誌名 :Am J Clin Nutr 2013;97:1076–82
タイトル :Dietary patterns and risk of dementia in an elderly Japanese population: the Hisayama Study
訳/小田宗宏(炊飯HACCP審査委員)