Japan Cooked-rice Association
ごはんソムリエ講師 小田宗宏
2026/07/15
文献番号B-25
訳者よりひとこと
メタボリックシンドロームを発症する背景にはいろいろな原因が考えられているが、この論文では、食事の速さとの関連性について言及している。食事の速さは消化酵素の分泌やインスリンの分泌などにも影響をおよぼし、肥満や2型糖尿病の原因にもなる。日常的な食事の摂り方について振り返るための資料にしていただきたい。
文献要旨(訳)
本研究は、自己申告による食事の速さとMetSとの相関を調べることが目的である。国内の保健所による毎年の検診記録を活用した。横断研究には冠性心疾患や脳卒中の病歴のない56,865名(41,820名の男性と、15,045名の女性)を協力者として抽出した。MetSの診断は国際糖尿病連盟と米国心臓協会のガイドラインによった。
食事が速いということとMetSに罹患しやすいということは相関(正に相関)していた。食事の速さを、ゆっくり、普通(これを標準とする)、速い、の三段階に群分けし、それぞれのオッズ比(注2)をみると、男性では0.70、1.00(標準)、1.61であり、女性では同様に、0.74、1.00(標準)、1.27であった。MetSの内容をみると、腹部肥満が食事の速さと最も強く相関していた。しかし、体格指数(BMI)を考慮して解析をし直すと相関は大変小さくなった。しかし、そのような解析のし直しにおいても、食事がゆっくりの場合には、高血圧(男性女性ともに)と高血糖(男性のみ)に関するオッズ比は小さく、また、食事が速い場合の脂質異常のオッズ比は高かった。
これらのことから、食事の速さはMetSの発症と関連があるが、この関連は、食事の速さが原因と考えられる体重の違いに基づくものと推察された。
注1:横断研究
ある集団のある一時点での病気(健康障害)の有無と要因の保有状況を同時に調査し、関連を明らかにする観察研究
注2:オッズ比
ある病気などへの罹りやすさを2つの集団で比較して示す数値であって、例として、1より大きい数値では、病気に罹りやすいことを意味している
雑誌名 : BMJ Open 2014;4:e005241. doi:10.1136/bmjopen-2014-005241
タイトル : Self-reported eating rate and metabolic syndrome in Japanese people: cross-sectional study
訳/小田宗宏(炊飯HACCP審査委員)