Japan Cooked-rice Association
ごはんソムリエ講師 小田宗宏
2026/06/15
文献番号B-24
訳者よりひとこと
ご飯の主成分は炭水化物(ぶどう糖の重合体)であることから、消化酵素による分解(消化)でぶどう糖に転換される。そして、このぶどう糖は消化管から吸収されることにより血糖として反映される。この論文は、ご飯をたくさん食べると2型糖尿病に罹患するリスクが高まるということに言及するものである。ご飯ばかりでなく、炭水化物を過剰に摂取することは、糖尿病のリスクが高まるということを理解して頂きたい。
文献要旨(訳)
本研究では、白米の消費と2型糖尿病のリスクの関連性を示唆する根拠をとりまとめ、摂取する量との関係を定量的に考察している。
各種データベース(2012年までに発表された論文)より白米の摂取量と2型糖尿病のリスクに言及した前向きコホート研究(注3)のデータを活用し、統計学的手法によりメタ分析をおこなった。
アジア人と西洋人について実施され異なった7つの前向きコホート研究を含む、4つの論文を取り上げた。研究への協力者は全体で352,384名に及び、研究の追跡期間は4~22年間である。その期間内に、13,284名の研究協力者が2型糖尿病を発症した。アジア(中国、日本)人では、西洋人と比べより多くの白米を食べている(西洋人は週に1~2回に対してアジア人は週3~4回摂取する)。アジア人では、最も摂取量の多い多いグループは、最も少ないグループに比べ相対リスクは1.55倍であった。しかし、同様な比較においては、西洋人での相対リスクは1.22倍であった。協力者全体でみると1日当たりの白米の摂取回数が1回増えると、2型糖尿病の相対リスクは1.11倍高くなった。
以上のことから、白米の摂取量が多くなると、特に、アジア(中国、日本)人では、2型糖尿病のリスクが高くなることが分かる。
注1:メタ分析
別々の調査・研究を集め、様々な角度から分析する手法
注2:レビュー
或る課題についての科学的根拠を得るため、一定の基準を満たした質の高い研究論文をデータベースで網羅的に収集し、体系的・統計的に分析すること。また、その手法で作成された総説
注3:前向きコホート研究
疫学調査法の一つで、特定の要因に暴露したものと暴露しないものをあらかじめ定められた集団から選び、将来に向かって問題とする疾患の発生を観察して両者の発生率を比較する調査研究
雑誌名 : BMJ 2012;344:e1454 doi: 10.1136/bmj.e1454
タイトル : White rice consumption and risk of type 2 diabetes: meta-analysis and systematic review
訳/小田宗宏(炊飯HACCP審査委員)