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関連図書・参考資料

=中国人の子供たちの間では食事の速さは肥満や腹部肥満と正に関連している=

ごはんソムリエ講師 小田宗宏

2026/04/15

文献番号B-18

訳者よりひとこと

 食事の速さは人により大きく異なる要素だと思われるが、ここでは、食事の速さと肥満との関連性について述べる。同様な内容に関する論文が多いことを考えると、人種や性別・年齢などの違いに関わらず、食事が速いということは、肥満をもたらす重要な要素だと思われる。そこで、中国の子供たちを対象にした食事の摂り方(速さ)と肥満のリスクについて報告されている資料について紹介する。

文献要旨(訳)

 食事が速いとカロリーをより多く摂るということが知られている。しかし、高校生において、食事の速さと食事の量と肥満との関連性についてはほとんど知られていない。この研究では、全国調査をもとに、中国の子供での食事の速さと肥満との関連性について調べることが目的となっている。

 本研究には中国の7つの地域から50,037名(7~17歳)の子供が参加した。人体測定学にもとづき、各種指標を客観的に測定した。食事速度(ゆっくり、普通、速い)に関するデータは質問票より得た。食事速度が速くなるにしたがい、一般的な肥満は、7.2%、10.0%、15.9%と増え、腹部肥満は、16.1%、21.8%、29.4%と増えた。また、身長に対するウエスト比(WHtR)が0.5を超える割合も、11.1%、14.8%、22.0%と増えた(速いほど割合が高まる=正の相関)。つぎに、普通の食事速度との比較においては、速い速度では、肥満やWHtRの割合は増えた(オッズ比(注1参照)は1.51~1.61)。一方、普通の食事速度との比較においては、ゆっくりした食事速度では、いずれの指標とも数値が低下した(オッズ比は0.65~0.75)。食事の速度が速くなると、果物、肉、甘味飲料、揚げ物、ファストフードの消費が増える傾向が認められた。本研究で明らかになったとことは、食事の速さが子供の肥満に関係することであり、食事速度に配慮することは、子供の肥満を防ぐためには重要な要素であり、調整可能な要素でもある。

注1:オッズ比

 ある病気などへの罹りやすさを2つの集団で比較して示す数値であって、例として、1より大きい数値では、病気に罹りやすいことを意味している

 

出典:

雑誌名  :Scientific Reports (2018) 8:14362

タイトル  :Eating fast is positively associated with general and abdominal obesity among Chinese children: A national survey

訳/小田宗宏(炊飯HACCP審査委員)