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関連図書・参考資料

=ゆっくり食べることは食欲を減退させる消化管ホルモン(ペプチド/PYYとグルカゴン様ペプチド-1/GLP-1)の食後応答を促進する=

ごはんソムリエ講師 小田宗宏

2026/03/16

文献番号B-14

訳者よりひとこと

 食事の速さと健康に関しては様々な視点で研究されている。今回、取り上げた論文は、食事の速さと食欲を促進するホルモンあるいは食欲を減退させるホルモンとの関係性について言及するものであり、さらに、満腹感や空腹感との関係性にも言及するものである。ダイエットの困難性は、ダイエットでは満腹感が得られないという不満も大きな原因であるといわれている。その様な中で、ダイエットを少しでも継続するためには、食事の速度についての配慮も必要であると思われる。

文献要旨(訳)

 食事の速さは肥満と関連すると報告されている。しかし、食欲やそれに関係したホルモンについては言及されていない。本論文は、臨床研究施設で実施されたクロスオーバー試験(注1参照)の結果を報告するものであり、試験参加者は健康な成人男性17名である。試験食(アイスクリーム:300ml、675カロリー)の摂取は、摂取時間を5分あるいは30分間と定め、それぞれ別の日に摂取し、摂取直後から210分間にわたり食欲促進ホルモン(グレリン)と食欲減退ホルモン(PPY、GLP-1)の食後応答について調べた。また、空腹感や満腹感については参加者の感想を数値化(VAS)して評価した。

 結果であるが、PPYとGLP-1 は共に5分間で摂取する場合より30分間で摂取する場合の方が高値であり、VASによる感想では、満腹感は5分間で摂取した直後より30分間で摂取した直後の方が高い傾向であった。しかし、グレリンに関しては差が認められなかった。これらのことから、生理学的に適切な速さで食事を摂ることは食事をそれより速く摂る場合と比較し、食欲抑制に関わるホルモンの分泌が明らかに高いことが分かった。

注1:クロスオーバー試験

同じ試験参加者が時期を変えて同じ試験食を摂るが、試験のデザイン(異なった摂取時間)に従って摂取し、摂取時間の違いの影響を調べる試験である

出典:

雑誌名  :J Clin Endocrinol Metab, January 2010, 95(1):333–337(文献7/炊飯7/分類B-1)

タイトル :Eating Slowly Increases the Postprandial Response of the Anorexigenic Gut Hormones,

Peptide YY and Glucagon-Like Peptide-1

訳/小田宗宏(炊飯HACCP審査委員)