Japan Cooked-rice Association
ごはんソムリエ講師 小田宗宏
2025/12/24
文献番号B-05
訳者よりひとこと
朝食を欠食すると肥満になり易いとの論文が多い。そこで、今回は、朝食の摂食頻度と肥満との関連性を調査した研究報告を取り上げ、改めて個々人の食事について振り返って頂くための判断材料にして頂きたい。
文献要旨(訳)
本研究は、朝食を摂取する頻度と代謝生理との関連性について調べられた研究が少ないが、ここでは、朝食の摂取頻度と代謝性疾患の発症率との相関を調査したものである。そこでは、「若い成人の冠動脈リスクの発症に関する研究」に協力した3,598名の対象者について解析した結果が示されている。
朝食を摂る頻度が少ない群(週0-3回)と比較すると毎日朝食を摂る群では、18年に及ぶ追跡調査期間の間に体重が1.9kg低下していた。また、朝食摂取頻度が1週間当たり0-3回、4-6回、毎日の3群に分けてみると頻度が高くなるに従いリスクが低下した。
毎日摂取する群のハザード比(注1)をみると、腹部肥満では0.78、肥満では0.8、生活習慣病0.82、高血圧では0.84といずれも有意であった。糖尿病(2型)に対してのハザード比は0.81であったが、しかし、黒人男性、白人男性・女性においては有意であったものの黒人女性ではそうではなかった。
註1:ハザード比
イベント(死亡)の起こりやすさを意味するものであり、試験期間全体の平均的な群間差として推定したもの。例えば、ハザード比が1であれば群間に差がないということである。
訳/小田宗宏(炊飯HACCP審査委員)
出典:
雑誌名 :Diabetes Care 36:3100–3106, 2013
著者・所属:ANDREW O. ODEGAARD, et al., University of Minnesota,
タイトル :Breakfast Frequency and Development of Metabolic Risk