Japan Cooked-rice Association
ごはんソムリエ講師 小田宗宏
2026/09/15
文献番号B-33
訳者よりひとこと
肥満や2型糖尿病の原因として、一日に食べる食事の総カロリーの中で炭水化物(ごはんや麺類の主成分)の割合が高いことが原因の一つとして考えられている。そこで、ここでは、日本人を対象とした一日の食事の総カロリー摂取量の中で、炭水化物のカロリーが占める割合と糖尿病の発症との関係について紹介する。ここで紹介するデータは日本人、特に男性、を対象とするものであることから、参考にする意義は大変大きいと考えている。食生活の中で取り入れて頂きたい知見でもある。
文献要旨(訳)
本研究の対象者は2,006人の男性の工場従業員であって、食事摂取量に関しては、配布した質問票に自らが記載した。糖尿病の発症に関しては、10年以上にわたる毎年の血液検査の結果から判断した。
研究期間中に232人が糖尿病を発症した。糖尿病発症割合(年間1,000人当たりの発症人数)は、炭水化物の摂取割合を ≦50.0、50.0-57.4、57.5-65.0、≧65.0 % とグループ分けしてみると、それぞれ順に16.5、14.4、12.7、17.6人であった。全体としていえることは、炭水化物の摂取量は糖尿病の発症リスクとは相関していないということである。しかしながら、糖尿病の発症には、炭水化物の摂取量と肥満レベルとの間には有意な相関が認められている。すなわち、BMIが25以上の肥満の人では、炭水化物の摂取割合が高いほど糖尿病のリスクが高い。肥満の人に限ってみると、炭水化物摂取割合が65%を超える人は、摂取割合が50.0-57.4%の人より糖尿病発症のリスクは2.01倍高い。
これらの結果から、肥満の人に対しては、炭水化物摂取割合が高いほど糖尿病になり易いといえるが、肥満ではない人に対しては、そのような関係は認められない。したがって、炭水化物摂取割合が65%を超える肥満の人は、2型糖尿病を予防するためには日本人に求められている炭水化物摂取割合(50-65%)に近づけることが必要である。
雑誌名 :J Diabetes Investig 2016; 7: 343–351(文献21/分類B-2)
タイトル :Dietary carbohydrate intake, presence of obesity and the incident risk of type 2 diabetes in Japanese men
訳/小田宗宏(炊飯HACCP審査委員)