Japan Cooked-rice Association
ごはんソムリエ講師 小田宗宏
2026/08/17
文献番号B-30
訳者よりひとこと
健康維持のために1日10,000歩のウォーキングが推奨されている。しかし、10,000歩がどのような理由から良いとされているのか、具体的な根拠がないようである。そのように言われている背景は、日本でのマーケッティングキャンペーンの一環として提唱された数値である可能性がある。そこで、改めて、健康にとって良い1日の歩数などについて年齢との関連を追究した調査データをみることにする。
文献要旨(訳)
健康のためには1日10,000歩を歩くことが推奨されている。しかし、これを裏付ける根拠は乏しい。そこで、1日に歩く歩数や歩く速さと死亡率の関係について調査研究した。
本研究では、1999年から2018年の間に実施された15の試験結果を取り上げた。対象者は全部で47,471名の成人であり、追跡期間の平均は約7.1年である。その間に3,013名が亡くなった。解析は、対象者の1日当たりの歩数を、歩数の最も少ないグループ(グループ1)から最も多いグループ(グループ4)までの4つのグループに分けておこなった。各グループの1日当たりの平均歩数は、グループ1では3,553歩、第2グループでは5,801歩、第3グループでは7,842歩、第4グループでは10,901歩であった。死亡リスクについて、歩数の最も少ないグループ1(リスクを1.00とする)と比較すると、グループ2では0.6、グループ3では0.55、最も歩数の多いグループ4では0.47とリスクは順次低下した。また、対象者が60歳以上では1日当たりの歩数が6,000~8,000歩の範囲内の場合に、また、60歳未満の対象者では、1日当たりの歩数が8,000~10,000歩の範囲内の場合に、ともに歩数が増えれば死亡リスクが低下していた。
以上のように、1日当たりの歩数が増えれば死亡率は低下するが、しかし、年齢によっては望ましい歩数レベルには違いがあることから、歩数が多ければよいという訳ではないことが示唆された(歩く速さと死亡率の関係については省略した)。
雑誌名 :Lancet Public Health 2022; 7: e219–28
タイトル :Daily steps and all-cause mortality: a meta-analysis of 15 international cohorts
訳/小田宗宏(炊飯HACCP審査委員)