Japan Cooked-rice Association
ごはんソムリエ講師 小田宗宏
2026/05/15
文献番号B-21
訳者よりひとこと
レジスタントスターチと呼ばれる老化でんぷんがある。通常のでんぷんと比較し、消化酵素による消化が遅れ、グリセミック・インデックス(GI)を改善し、血糖上昇を抑制するといわれている。また、その構造から考えて、特に食物繊維が、腸内細菌叢の改善(腸内環境の改善)を通して生体の免疫機能や消化管バリアー機能などを改善することにより健康に寄与するという科学的根拠に従い、レジスタントスターチも同様な機能が期待されている。そこで、レジスタントスターチに関する情報を紹介したい。
文献要旨(訳)
でんぷんの酵素分解におよぼす脂質の影響について(試験管内)試験をおこなった。ジャガイモ由来のアミロース、アミロペクチン、および、でんぷんと各種脂質との混合物を37℃で10分間保持(反応)した。その後、α‐アミラーゼとアミログルコシダーゼの両者による酵素分解をおこなった。ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸とリゾレシチンはアミロースの酵素分解を35%阻害した。ステアリン酸とコレステロールはアミロースの酵素分解には影響しなかった。老化したアミロースの酵素分解は、可溶性のアミロースのそれよりも遅いが、しかし、ラウリン酸が存在していても酵素分解には影響しなかった。脂肪酸はアミロペクチンの酵素分解には影響しないが、脂肪酸によるでんぷんの酵素分解はアミロースで見られた場合と同様に阻害された。
消化管においてでんぷんと脂肪酸の相互作用が、生体内で生じるレジスタントスターチの形成に関与していると考えられた。
出典:
雑誌名 :j.of Nutrition130(8):2006-8(2000)
タイトル :Inhibition of Enzymic Digestion of Amylose by Free Fatty Acids In Vitro Contributes to Resistant Starch Formation
訳/小田宗宏(炊飯HACCP審査委員)