Japan Cooked-rice Association
ごはんソムリエ講師 小田宗宏
2026/05/15
文献番号B-20
訳者よりひとこと
睡眠時間が短いと体格指標(BMI)が高くなるということは、睡眠時間が少ないと太りやすくなるということを意味している。すでに知られた事柄であるが、睡眠と食欲に関連するホルモンとの関連性については知られていない。そこで、ここでは、睡眠時間とホルモンとの関連性を調べた試験結果について紹介したい。睡眠不足は肥満の原因でもあることを理解して頂きたい。
文献要旨(訳)
睡眠時間は、体重や代謝を調節するための重要な要素である。短時間睡眠とBMIが高まるということが相関するとの報告がある。しかし、この相関関係では代謝ホルモンとの関連性については調べられていない。
睡眠障害に関するヒト試験から、1,024人のボランティアの協力を得ることができた。ボランティアは、夜の睡眠ポリグラフ検査を受け、睡眠習慣については質問票と睡眠日誌によって報告した。睡眠ポリグラフ検査を受けた後、朝の空腹時の血液サンプルについてレプチン(注1)とグレリン(注2)(この二つのホルモンは食欲調節に関わる重要なホルモンであるが、互いに反対の作用を示す)、さらに、アディポネクチン、インスリン、ぶどう糖、脂質なども調べられた。特に、BMIと睡眠時間との相関については統計学的手法を用いて解析した。BMIと睡眠時間との相関では、U字型の曲線として示され、睡眠時間が8時間未満の参加者(全体の74.4%)では、睡眠時間の減少に伴いBMIは高まった。短時間睡眠ではレプチンが減少し、8時間睡眠に比べ、5時間睡眠では15.5%低下した。同様に、8時間睡眠に比べ5時間睡眠ではグレリンが14.9%増加した。このように、短時間睡眠の場合はレプチンが減少し、グレリンが増加したが、このような挙動は、食欲を高めるものであり、短時間睡眠によりBMIが高まることを説明する理由でもある。
西洋の、慢性的に睡眠不足で食料も豊富なところでは、睡眠時間の改善や食欲調節ホルモンのバランスの改善などが、肥満の予防のためにも大切である。
注1:レプチン:食欲を抑制し、代謝を活性化することにより体重を適正に保つ
注2:グレリン:食欲増進と空腹感をもたらす
出典:
雑誌名 :PLoS Med 1(3): e62
タイトル :Short Sleep Duration Is Associated with Reduced Leptin, Elevated Ghrelin, and Increased Body Mass Index
訳/小田宗宏(炊飯HACCP審査委員)