Japan Cooked-rice Association
ごはんソムリエ講師 小田宗宏
2026/04/15
文献番号B-17
訳者よりひとこと
今回はパーボイルド米に関する論文を紹介したい。食生活における血糖管理の面では、白米を摂取するよりも玄米を摂取した方が望ましいと言われているが、同様なことがパーボイルド米についても言及されている。米の収穫後の加工方法によって、このような違いが生じることは大変興味深く、加工方法により健康に対する貢献度が違うということは重要な知見であると考えている。ここで取り上げるパーボイルド米については、白米よりたんぱく質、ミネラル、ビタミン、食物繊維などの成分が多く含まれ、栄養学的にも、さらに、生理学的にも健康に対する好ましい効果が期待される。パーボイルド米の重要な成分としてレジスタントスターチが多く含まれていることが、食後血糖の抑制や満腹感による食べる量の抑制にもつながっていると考えられている。
文献要旨(訳)
白米は大変重要な食べ物であるが、血糖への影響が大きく、2型糖尿病の患者にとっては望ましい食べ物ではない。そこで、本研究は、糖尿病患者が白米を食べるより玄米を食べる方が食後血糖値や食欲を抑制できるように、パーボイルド米を食べることは同様な効果があるとの仮説をもって実施したものであって、パーボイルド米と玄米が白米と比較し、健常者や糖尿病患者の血糖値と満腹感に及ぼす影響について調べられた。本研究の対象者はパーボイルド米、白米、玄米由来のでんぷん(各々50g)をそれぞれ個別に摂り、摂取後120分間にわたり血糖値と満腹感について調べられた。三種類のでんぷんを食べた後のそれぞれの食後血糖応答に関しては、健常者と糖尿病患者のグループ間では明らかに違いが認められた。満腹感では、健常者がパーボイルド米を食べた時に限り有意に高かった。このように2つのグループ間ではごはんの代謝(消化吸収速度)に違いがあると推定されるにも拘わらず、パーボイルド米を食べた後の血糖曲線下面積は、糖尿病患者でも健常者でもそれぞれ35%、38%に減少していた。しかしながら、白米と玄米に対する血糖応答ではいずれのグループでも、いずれのでんぷんの場合でも有意な差は認められなかった。これらのことから、パーボイルド米は糖尿病患者の食後の高血糖を管理するためには、白米や玄米にもまして望ましい代替食品であることが示唆される。
出典:
雑誌名 :Nutrition 47 (2018) 43–49(文献60/炊飯60/分類B-2)
タイトル :Parboiled rice metabolism differs in healthy and diabetic individuals with similar improvement in glycemic response
訳/小田宗宏(炊飯HACCP審査委員)