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関連図書・参考資料

=米国で通常の生活を営む成人の食事パターンと肥満との関連性=

ごはんソムリエ講師 小田宗宏

2025/12/24

文献番号B-04

訳者よりひとこと

食事のパターンと肥満との関連性について調べられた結果を紹介する。米国で通常の生活をしている成人を対象とした調査結果であることから、これらの結果を評価する際には、人種、性別、年齢、活動度、さらに経済状態によっても結果が異なる可能性もあるということを念頭に置いて頂きたい。要旨の訳文中に出てくる外食に関して説明を補っておくと、それが高脂肪食であって、飽和脂肪酸やコレステロールが多いということから、頻度高く外食することは肥満になり易いと考えられている。特に、朝食と夕食の外食は昼食の外食とは異なり、肥満になり易いとのことである。参考になる、あるいは、すべき、情報と思われる。

文献要旨(訳)

複数の研究で、食事の回数は、いつ(時刻)摂るのか、さらに、朝食の欠食や外食する頻度は、等々に関わる食事パターンと肥満との関連性についての報告がある。過去の研究であるが、「血中コレステロールの季節変動に関する研究(1994~1998年)」で得られたデータを利用し、食事パターンと肥満との関連性について評価した。対象者499名の食事内容(3日間分)と体重測定の記録を1年間にわたり都合5回調査し、それらのデータ(平均値)を用いて横断的(注1)な解析を行った。オッズ比(注2)の算出においては、他の肥満リスク要因となる年齢、性別、身体活動、総エネルギー摂取量などを考慮した補正が行われている。結果を示すと、日々の食事回数が多い場合には、むしろ肥満のリスクが低く、食事回数が4回あるいはそれより多い場合は、食事回数が3回あるいはそれより少ない場合と比較するとオッズ比は0.55であった。一方、朝食や夕食を外食する頻度が多くなると肥満になりやすく、朝食の欠食も肥満になりやすい(オッズ比;4.5)。さらに、このような関連性を調べることは、将来の研究としても大切である。

註1:横断研究

    ある集団のある一時点での病気(健康障害)の有無と要因の保有状況を同時に調査し、関連を明らかにする観察研究

註2:オッズ比

    ある病気などへの罹りやすさを2つの集団で比較して示す数値であって、例として、1より大きい数値では、病気に罹りやすいことを意味している

訳/小田宗宏(炊飯HACCP審査委員)

出典:

雑誌名  :Am J Epidemiol 2003;158:85–92

著者・所属:Yunsheng Ma, et al., University of Massachusetts

タイトル :Association between Eating Patterns and Obesity in a Free-living US

      Adult Population