Japan Cooked-rice Association
white rice is polished brown rice__________________________________________________________
とうせい
「搗精について考える」
ごはんソムリエ 天野和雄講師
2026/2/13
お米は玄米で各工場に搬入され、精米工程を経て製品となります。「歩留(ぶどまり)」とは、玄米が投入した原料の量に対して、実際に得ることができた製品の割合のことを指します。歩留が高ければ、製品の割合は上がり、原料を無駄にすることなく製品になるわけですが、農産物なので品質基準の中で精米してもいろいろな要因によって仕上がりが違ってくることになります。歩留の低下を防ぐためにエ場はどのようなことをしているのか、今回はその部分に迫っていきたいと思います。
会社が販売している精米、精米する過程を「搗精」と言います。揚精とは、玄米を搗いて白い精米にすることを表しています。また、良い搗精とは胚芽を取り除き、 高歩留で、精米の表面が輝いていることと言われています。
原料には様々な産地、品種があります。産地によっても品種によっても精米機の抵抗のかけ方ひとつでお米の顔が変わってきます。同じ産地品種であっても前回同様に精米をしたところ全然違う結果となった。このようなことは日常茶飯事で隣の田んぼのものでも品質はそれぞれです。
精米機を通して玄米は白くなりますが、ただ、 単純にスイッチを押して出できたものが精米と言う訳にはいかずこれには担当者の並々ならぬ日々の努力の結晶から成り立っています。
①「気候への対応」気温・湿度によって精米機の抵抗のかけ方が違う。【夏】気温が高いため、搗精が進みやすい(米が削れやすい)【冬】気温が低く、米温が低いため、搗精が進まない(米が固く削りにくい)。 夏より抵抗をかけ電流値を上げて搗精する 湿展が低いため、米が割れやすく(花咲状態となる可能性)特に気を遣う季節。 (※「花咲状態 :炊飯時に花が咲いたように割れ広がっているご飯の状態)
②精米の仕上がり具合のチェック ▸砕粒・・玄米水分が低いと砕粒の発生に繋がりやすくなり、製品にはならず歩留低下の要因となる。
↑「背筋」のある米 側面に色がついている
▸背筋・・玄米の糠層は側面で薄く約30~38µm腹部でも薄く同程度、背部で厚く腹部の4~5倍となる。一粒 一粒でも背筋具合が違うため背筋には十分注意しとう精をしないといけない。また一般的に『お米は白い』の考えがある中で、精米に線(糠の残り)が入っていれば消費者からのクレームにつながる。近年の米は高温障害で背部の糠層が厚くなり、背筋が残りやすい。
▸ムラ搗き(搗きがあまい)・・黄色っ ぽく見える。 炊き上がりが黄色く硬めに炊き上がる。 ▸過搗精(搗き過ぎ)・・白 く綺麗に見えるが、 よく見ると米に線のような傷がついている。炊き上がりもべちゃつき、うまみがない。
③その他 ・原料によってとう精が難しい (強く搗けば米が割れ砕粒につながり、弱く搗けば背筋が残る。)。このような中、細心の注意を払ってとう精を行っても 品質検査課に作り直しを言い渡されることもある。 •とう精担当は、原料状態に注意しながら当日の天候や気温に気をかけながらとう精をしています。