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関連図書・参考資料

=健康成人の食事手段が食事速度や血糖反応に及ぼす影響=

ごはんソムリエ講師 小田宗宏

2026/03/16

文献番号B-12

訳者よりひとこと

 食事をする手段(箸、スプーン、手指)によっては、食後の血糖反応(GR)やグリセミック・インデックス(GI)に対する影響が異なる。例えば、同じ食事量を摂る場合、箸やスプーン、手指など異なる手段であると、食べる速さやひと口の量、咀嚼の程度などにも違いが生じる。したがって、食事の摂り方に対してもそれぞれ配慮が必要であり、基本的には時間を掛け、しっかりと咀嚼することが大切であることが示されている。この知見も、日常的に実践できる食事行動と考えられることから取り上げた。

文献要旨(訳)

 シンガポールは中国人、マレー人、インド人を主な3つの民族とした島国である。そこでは食べ物を、箸(中国人)、手指(マレー人、インド人)あるいはスプーン(中国人、マレー人、インド人)を使って食べている。以前の研究では、咀嚼の程度が血糖反応に大きな影響を及ぼしていることを示した。しかし、食べる手段によりひと口の量や咀嚼時間などが異なるように、咀嚼の程度も食べる手段に依存していると考えられる。

 そこで、健康な11名のボランティアの協力のもと、白米をそれぞれ3つの手段で食べ、また、対照食(ぶどう糖液)についても摂り、摂取後の120分間、GRを測定した。咀嚼の評価は電気化学的に行った。白米を箸で食べる際のGRはスプーンで食べるより有意に低く、GIは、箸の場合は68で、スプーンでは81であった。しかし、手指とスプーン、また、手指と箸の間ではGRもGIも差は認められなかった。

 白米をすべて食べるに要する総口数と総時間、ひと口当たりの咀嚼回数と時間は、スプーンのグループと箸のグループでは有意に差が認められた。白米の全部を何口で食べるか、また、白米のひと口分の量などとGRとの関係では、スプーンと箸のグループ間では有意な相関が認められた。しかし手指のグループに対しては認められなかった。結果として、スプーンと箸のグループ間での有意な相関は、白米を摂取する総口数と一口当たりの量の個人間の違いが理由となっていることが考えられた。

 本研究では、白米を食べる際の手段が咀嚼時間やひと口当たりの食べる量に違いがあり、そのことが白米のGIに影響することを明らかにした。

出典:

雑誌名  :Physiology and Behavior 139 (2015) 505-510(文献1/炊飯1/分類B-1)

タイトル :The impact of eating methods on eating rate and glycemic response in healthy adults

訳/小田宗宏(炊飯HACCP審査委員)